肺炎球菌ワクチンについて
👉現在、日本の死因のうち肺炎は第5位、誤嚥性肺炎は第6位→2つを合わせると死因の第4位を占めます
令和3年(2021)の主な死因の構成割合
👉高齢者は肺炎を発症する確率が高く、年齢が上がるほど死亡率も急増します
肺炎の年齢階級別死亡率
👉肺炎の原因菌で最も多いのが肺炎球菌です
👉基礎疾患がある方は肺炎のリスクが高く、肺炎球菌ワクチンの接種が特に勧められます
- 慢性呼吸器疾患(気管支喘息、COPD、気管支拡張症など)
- 慢性心疾患(うっ血性心不全、心筋症など)
- 糖尿病
- 脳梗塞(無症候性脳梗塞)
- 慢性腎臓病(ネフローゼ症候群、透析中の方など)
- 慢性肝疾患
- 悪性腫瘍を有する方
- ステロイドなどの免疫抑制剤を服用されている方
- HIV感染等による免疫不全者
- 脾臓摘出後の方
- 臓器移植や骨髄移植を受けたことのある方
👉肺炎球菌ワクチンは肺炎の発症率をおよそ半分に減らします
丸山 貴也:BMJ 340:c1004,2010より作図
→日本国内において、23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)はプラセボに比べ、医療介護関連肺炎(nursing and healthcare-associated pneumonia:NHCAP)における肺炎球菌性肺炎と肺炎全体の発症率を有意に抑制し、死亡率も低下させた
13価肺炎球菌ワクチン(プレベナー)による市中肺炎の予防効果
Bonten, M. J. et al.: N Engl J Med 372(12):1114, 2015より作図
→オランダにおいて、13価肺炎球菌ワクチン(プレベナー)はプラセボに比べ、プレベナーに含まれる血清型の肺炎球菌による上記の市中肺炎と*侵襲性肺炎球菌感染症の初回発症をいずれも有意に抑制した
*侵襲性肺炎球菌感染症 : 血液や髄液から肺炎球菌が分離同定されるような髄膜炎・菌血症を伴う肺炎球菌感染症のことです。