新しいインフルエンザワクチン-フルミスト®点鼻液について
【費用】7,000円(税込)
【実施期間】令和6年10月1日~令和6年12月20日まで(事前予約不要)
【フルミストの問診票はこちらのPDFを印刷して事前にご記入いただくと当日スムーズです】
1. フルミスト®点鼻液とは?
当院では、今年度よりインフルエンザワクチン「フルミスト®点鼻液」を導入しました。これは、痛みのない点鼻タイプのワクチンで、特に注射が苦手なお子様や不安な方におすすめです。
2. フルミスト®点鼻液のメリット
- 痛みがない:注射が苦手な方やお子様でも安心して接種できます。
- 迅速な接種:わずか数秒で完了し、待ち時間も短縮されます。
- 自然な免疫反応:生ワクチンを鼻に噴霧することによって、インフルエンザの侵入口である鼻咽頭で防御するための自然な免疫が作られます。
3. フルミスト®点鼻液の効果とエビデンス
- フルミスト®は特に鼻に直接生ワクチンを噴霧することにより、現行の皮下注射ワクチンで誘導される血液中のIgG抗体だけでなく、ウイルスの侵入口となる鼻やのどの粘膜を守るために分泌される気道分泌型IgA抗体も誘導するため、インフルエンザウイルスに対する体内の自然な免疫反応を活性化し、感染を予防することが期待されます。
- 多くの臨床試験において、フルミストは注射タイプのワクチンと同等の効果を示すことが確認されています。特に、子供や若年者においては、インフルエンザの予防効果が高いことが報告されています。
- CDC(米国疾病予防管理センター)やWHO(世界保健機関)のガイドラインでも、フルミストが適切な接種方法として推奨されています。
4. フルミスト®点鼻液と従来の皮下注射ワクチンの違い(一覧表)
特徴 | フルミスト®点鼻液 | 従来型ワクチン |
---|---|---|
ワクチンの種類 | 生ワクチン(弱毒化ウイルス) | 不活化ワクチン(死滅ウイルス) |
接種方法 | 鼻にスプレー | 上腕に皮下注射 |
接種対象 | 2歳から18歳までの健康な方(当院では小学6年生以上を受付) | 幅広い年齢層(特に高齢者や慢性疾患の方) |
接種回数 | 1回(両鼻に1回ずつ噴霧) |
13歳未満は2~4週間以上空けて2回 13歳以上は1回 |
副反応 | 鼻水、鼻づまり、のどの痛み、頭痛、発熱など | 接種部位の痛み、赤み、腫れ |
利便性 | 消毒不要で短時間で接種可、他のワクチンとの間に接種間隔を空ける必要なし | 接種の際にアルコール等による消毒が必要 |
免疫が付くまでの期間 | 約2週間 | 約2週間 |
ワクチンの持続期間 | 約1年 | 約5か月間 |
当院における費用 | 7,000円(税込) | 3,000円(税込、自費)、2,300円(公費) |
5. 禁忌事項
フルミスト®点鼻液の接種には以下の禁忌事項があります。該当する方は接種を避けてください。
- 2歳未満の方
- 妊娠中または授乳中の方(妊娠可能な女性においては避妊が必要)
- 重度の免疫不全がある方(例:免疫抑制治療を受けている方)
- 過去にフルミスト接種後に重篤なアレルギー反応を示した方
- ゼラチン含有製剤により重篤なアレルギー反応を示した方
- 喘息や慢性呼吸器疾患のある方(特に過去1年以内に喘息の発作を起こした方)
- 高熱や急性疾患を持つ方
6. 接種後の注意
- 接種後、軽いインフルエンザ様症状(鼻水咳など)を認めます。また、接種後にインフルエンザの検査が陽性となる可能性があり、フルミスト®点鼻液によるワクチンウイルスによるものか真のインフルエンザウイルス感染によるものか判断が難しいことがあります。そのため他院を受診される際には必ずフルミスト®を接種したことを伝えて下さい。
- 接種後1~2週間は乳児や重度の免疫不全の方との接触を可能な限り控えて下さい。これもワクチンウイルスが水平伝播によって感染し、インフルエンザ様症状を起こす可能性があるためです。