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新型コロナワクチンの副反応(アナフィラキシー)について

【アナフィラキシーについて】

・アナフィラキシーとは食べ物や薬などの原因物質(アレルゲン)に接触したり、体内に取り込んだ後、数分から数十分以内の短い時間に全身にあらわれる激しい急性のアレルギー反応のことです。

・主な症状として、血圧が低下したり、呼吸が苦しくなったり、皮膚の蕁麻疹や発赤、腹痛・嘔吐・下痢等の症状があり、これらが急速に進行するとショック状態となって生命の危機となることがあります。

2021年2月12日のアメリカ医師会誌の論文では、このようなアナフィラキシーと呼ばれる強いアレルギー反応はファイザー社製が100万回に4.7回、モデルナ社製は100万回に2.5回と報告されています。アナフィラキシーが起こった人の94%は女性77%は過去にアレルギー反応の既往がありました。76%は接種後15分以内、89%は30分以内に発症しています。そして、全例とも適切な治療により速やかに回復されています。

2021年3月8日に報告された別の論文では、アメリカ・ボストンの2つの病院(マサチューセッツ総合病院およびブリガム・アンド・ウィメンズ病院)の医療従事者約6万5千人に対して行われた1回目の接種(6割がファイザー社製、4割がモデルナ社製)において、接種3日後の副反応の有無を調査したところ、接種部位以外の発赤、痒み、蕁麻疹といったアレルギー反応は約2%で認められ、全身性の蕁麻疹、呼吸困難、血圧低下といったアナフィラキシーは16名に発生しました。これは1万回に2.47回の頻度であり、このうち15名は女性10名はアレルギーの既往5名はアナフィラキシーの既往がありました。接種からアナフィラキシー発生までの時間は1から120分で、平均17分でした。9名はエピネフリンの投与を受け、1名はICUに入院しましたが、全員が回復しました。

★以上を踏まえ、当院では、新型コロナワクチンを接種後、まれに起こりうるアナフィラキシーの有無について経過観察するため、接種後に15分から30分程度、院内での待機をお願いしています。アナフィラキシーに対応するべく、緊急投与できるエピネフィリンや、酸素吸入装置、呼吸停止時に備えた気管内挿管セットを用意して、心肺蘇生も可能な万全の態勢で新型コロナワクチン接種に臨みます。

不幸にも新型コロナワクチン接種により健康被害が生じ、医療機関での治療が必要になったり、障害が残ったり、死亡した場合に、その健康被害が接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、予防接種法に基づく救済が受けられます。その際の健康被害救済の内容は、定期接種のA類疾病と同じ水準です。

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